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【書籍レビュー】『残業ゼロ』の仕事術

人口が下降しているこの日本で、個々の生産性を高めることは急務です

人的リソースを最大限に生かすことは、世のリーダーや経営者の大きな課題となっているでしょう

本書は『組織としての生産性向上』を目的とした様々な手法が書かれています。

ポイントは以下の3点です

  • 結果の質より関係の質を上げること
  • 頑張るマネージャーが士気を下げる
  • 本音で組織について語り合うこと

本書を読んで欲しいのは、次の様な悩みを抱えるリーダーです

  1. いつも自分ひとりが最後まで残って仕事をしている
  2. チームのメンバーのレベルがなかなか上がらず困っている
  3. 仕事は減っていないのに上からの指示で無理矢理残業を減らしている
  4. 離職率が高い
  5. チームメンバーの人間関係がぎくしゃくしている

この本に書かれていることを実践することで、以下のことが達成できます

  1. はたらくことが楽しいと思える組織がつくれる
  2. やりがい向上による離職率の低減
  3. チームとしての生産性向上
  4. 結果としての売上向上

組織としての結果が向上することは、個人で成果を上げるより遥かに大きなベネフィットがあります

本書では目的達成の為のステップとして、以下の順番にトライしていくことを提唱しています

  1. マネジメントに軸足を置いた時間の使い方を実現する
  2. メンバーとの関係の質を高める
  3. チームの時間の使い方を可視化する
  4. メンバーとともに生産性を上げる方策を考え実行する

      

マネジメントに軸足を置いた時間の使い方を実現する

現代のマネジャーは、プレイヤーとしての動きも同時に求められることがしばしばあります

しかし、マネジャーとしての役割は自分しかできません

自分の仕事の割合は以下で実践してください

マネジメント8割 プレイ2割

マネジメントに注力することでより大きなレバレッジが効いて結果がでます

プレイヤーとしての業務、自分でなくてもできる仕事は徹底的に人に任せましょう

メンバーとの関係の質を高める

真に働くことを楽しむ為にはメンバーに

心理的安全性を担保すること

これを大前提として心がけてください

※心理的安全性

⇒この組織なら自分の意見は笑われない、拒絶されないと思える安心感

 

心理的安全性を確保するには以下のような方法があります

  • マネジャー自身の弱みを開示する
  • メンバーに『答え』を教えず、『答え』を引き出す
  • 『叱る』のではなく『フラットにフィードバック』する
  • 『褒める』のではなく『事実』を伝える
  • 『仕事の最初の説明』に十分時間をかける
  • メンバーのプライベートに配慮し、個性を活かす

 

心理的安全性が担保されたチームは

チームメンバーの発言量に偏りがなくなり

人の気持ちに対する感受性が高くなります

ここまで来たらチームメンバー全員で

『チームの目指すべき姿』を共有しましょう

チームの時間の使い方を可視化する

本書では多くの可視化方法が書かれていますが、特に効果のある方法として

朝夜メールを推奨しています

これはメンバー個々で作成するワークログです

具体的なやり方は

  • 毎朝15分刻みで作成した自身のスケジュールをメンバーに配信
  • 終業時に実際に進めた内容をメンバーに配信
  • 終業時メールにはメンバーにひと言メッセージを添える

一見面倒に見えますが、実際やってみると

めちゃくちゃ効果あります!!

これは一度騙されたと思ってやってみて欲しいです

やる上でのポイントは

『マネジャーからメンバーの仕事の進め方に指摘を一切しないこと』です

 

理由は2つです

  • 記録をつけること自体が反省の機会となって改善につながる
  • 周囲のメンバーのやり方を参考にして改善につながる

これだけで十分な効果があります

メンバーとともに生産性を上げる方策を考え実行する

ここまで来たら後はチームメンバーで改善策を出し合って実践をしていきます

◆改善例

  • 整理整頓をする(物理的/デジタル情報)
  • 会議に時間制限を設ける
  • 電話取次禁止の『集中タイム』をつくる
  • 感謝を伝え合う場をつくる
  • メールのテンプレートをつくる
  • 定型業務のマニュアル作成
  • 勉強会の実施
  • 取引先への発注方法の定型化依頼

簡単ですぐできそうなものでも、チームメンバーが自発的に取り組んでいることなら

効果がまったく違います

ここまでいけばチームの生産性はスパイラルアップしていきます

基礎的な内容ですが

駆け出しのマネジャーには是非読んで欲しい

そう思う一冊でした

目次

Lesson 1 プレイングマネジャーの本職は「マネジメント」

Lesson 2 自分の「働き方」を記録して「カッコ悪い自分」と向き合う

Lesson 3 「15分単位」で時間感覚を磨く

Lesson 4 「働き方」を分析するシンプルな方法

Lesson 5 「仕事を増やす」ために「仕事を減らす」

Lesson 6 チームの「戦力図」を描く

第2章 「関係の質」がすべて

Lesson 7 マネジャーが「いちばん大切」にすべきこと

Lesson 8 「メンバーより優秀」でなくていい

Lesson 9 マネジャーに「答え」はわからない

Lesson 10 「アドバイス」ではなく「フィードバック」に徹する

Lesson 11 メンバーに上手に仕事を「任せる技術」

Lesson 12 「個人カルテ」でメンバーを知る

第3章 「働き方改革」のキックオフ

Lesson 13 「働き方改革」のエンジンをつくる

Lesson 14 「付箋ワーク」で誰もが発言しやすい場をつくる

Lesson 15 チームの「もったいないところ」を共有する

Lesson 16 「仕事の目的」を深掘りする

Lesson 17 「チームのありたい姿」を言葉にする

第4章 「働き方」を可視化する

Lesson 18 メンバー全員の「スケジュール」を共有する

Lesson 19 チームの「働き方」を分析する

Lesson 20 「業務分担」をマトリクスで整理する

Lesson 21 「健全なチーム」と「不健全なチーム」の違い

Lesson 22 「スキルマップ」でチームを底上げする

Lesson 23 チームの「問題点」を明確にする

Lesson 24 「働き方改革」は小さなことから始める

Lesson 25 「アクションシート」で実行力を高める

Lesson 26 「役割カード」で会議の雰囲気を180度変える

Lesson 27 ハイパフォーマーの「ノウハウ」を共有する

第5章 チームの「生産性」を高める

Lesson 28 「整理整頓」から着手するのがベスト

Lesson 29 会議にかけるコストを「1/8」にする

Lesson 30 「集中タイム」で“割り込み仕事”を減らす

Lesson 31 お互いに成長をうながすチームにする

Lesson 32 日常業務のムダを一掃する方法

Lesson 33 「マニュアル化」で生産性を上げる

Lesson 34 自発的な「勉強会」でチーム力を最大化

Lesson 35 「複数担当制」で業務効率を劇的にアップする

Lesson 36 「曜日別ノー残業デイ」で長時間労働を解消

Lesson 37 「ミニドミノ人事」でメンバーを育てる

Lesson 38 上層部を「味方」につける

第6章 「働き方」を劇的に変える

Lesson 39 取引先の協力で「突発業務」をなくす

Lesson 40 組織を動かして「業務負担」を軽減する

Lesson 41 取引先とWin − Winの関係をつくる

Lesson 42 本社を動かして「全体」を変える

Lesson 43 「上層部」を本気にさせる